7月5日、パシフィコ横浜で開催された『おいしい紅茶の店 チャンピョンシップ 2019』に出場し、準決勝のアレンジティーを「ポーラーインザベール」で突破し、今までの研究成果を惜しみなくつぎ込んだ斬新な淹れ方で淹れたダージリンファーストフラッシュで審査員の皆様を唸らせて優勝し、初代チャンピョンの座を獲得してきました。
この『おいしい紅茶の店 チャンピョンシップ 2019』は、全国のおいしい紅茶の店認定店から応募を募り、書類審査を経てノミネートされた4店舗のおいしい紅茶の店が、パシフィコ横浜で開催された事業者向け食品展示会のカフェレスジャパンのイベント会場のステージ上で、その技術を競ったものです。
今年初めて開催されたイベントで、ノミネートされた4店舗の皆様は以下の通りです。(申込順)
執事喫茶 スワロウテイル | 東京都 豊島区 | 伊織 様 |
Tea house Portico | 石川県 加賀市 | 中野 薫 様 |
紅茶専門店 ロンネフェルト松江 | 島根県 松江市 | 玉木 貴也 様 |
紅茶専門店 TEAS Liyn-an | 愛知県尾張旭市 | 堀田 信幸 |
初戦・準決勝は、アレンジティー勝負。
リンアンでは殆どやっていない分野での勝負。リンアンで唯一やっているアレンジティーの「ポーラーティー」をチャンピョンシップ専用にブラッシュアップ、ショーアップした「ポーラー インザ ベール:Polar in the veil」で無事に初戦を突破し決勝に進みました。
決勝はダージリンファーストフラッシュ SHREE DWARIKA TEA ESTATE をいかに美味しく淹れるかの真剣勝負の味勝負。
共に決勝に勝ち進んだロンネフェルト松江の玉木さんとの一騎打ちでしたが、今までの研究成果を全て注ぎ込んで勝負に出、なんとか初代チャンピョンの座を獲得してきました。
公式発表 日本紅茶協会
初代チャンピョンへの挑戦は、お湯を沸かす道具を探すところから始まりました。
会場ではIH:電磁調理器しかお湯を沸かす道具が有りません。
ですから必然的にケトルはステンレスになるのですが、実はステンレスケトルのお湯は金気臭くて紅茶には向かないのです。
最善は銅のケトル。
しかし、IH用の銅ケトルも底だけはステンレスで若干金気臭さが出てしまいます。
そこで探し出したのがIH用の銅の手鍋でした。中まで銅で出来たこの手鍋のお湯は茶葉の美味しさをそのまま出してくれるのではなく、まろやかな美味しさを加えてくれます。
実はステンレスに見えるリンアンのケトルも、銅製なのです。
リンアンのケトルの秘密
チャンピョンシップに使う水も、市販の水3種類と、木曽の自然水と、リンアンの水の5種類を決勝用の茶葉で淹れ比べ、SHREE DWARIKA TEA ESTATE に一番合う水を選び、結局、使い慣れたリンアンの水を会場まで持ち込みました。
問題は準決勝のアレンジティー勝負でした。
リンアンでは殆ど無視しているアレンジティーでの勝負。
これを勝ち抜かなければ決勝の SHREE DWARIKA TEA ESTATE に行きつけません。
どんなアレンジティーで勝負すれば勝ち抜けれるのか?
それを、どんなお店が出場し、どんなアレンジティーで勝負してくるのか全く分からない中、応募締め切りまでに決めなければなりませんでした。
いろいろ試したのですが、納得できるアレンジティーは出来ず、結局、リンアンのポーラーティーをどこまでブラッシュアップ、ショーアップできるかが勝負でした。
ポーラーティーは基本的に「セパレートアイスミルクティー」で有り、独自の工夫を付け加えているものの、それ自体は従来からあるミルクティーです。
それでは勝てません。
ですから、更に層を加えて三層のセパレートアイスミルクティーにしました。
ポーラーティーは、「紅茶の海に氷原が浮かぶ」という北極をイメージしていますから、透明で小粒のタピオカを使い、白砂の海の底をイメージして三層にしたわけです。
更に、その上にオレンジを飾り、そのオレンジを太陽に見立て、アクリルパイプとドライアイスの霧でポーラー(北極)を霧で包み、アクリルパイプを外して霧が晴れると太陽が出てくるという演出を加えました。
何位通過となったかは聞いていませんが、これで準決勝を勝ち抜き決勝に進むことが出来ました。
決勝はダージリンファーストフラッシュ SHREE DWARIKA TEA ESTATE の味勝負。
銅の手鍋も準備し、水も持ち込み、紅茶の味では負ける気がしなかったのですが、唯一の心配は、リンアンの求めている紅茶の味が審査員の皆様に受け入れられるかどうかでした。
当日会場で淹れたティーポットの中には少量のお湯しか入っていません。
少量のお湯で5分間抽出をし、リンアン流アイスティーのように、すすぐ様にお湯を足してはサーバーに注ぐという多重抽出方法で淹れています。
この抽出方法は、茶葉の持っている美味しさをすべて出し切ってくれます。
ですから、ほとんどの場合、茶葉の奥深くに有る美味しさをも引き出し、おいしい紅茶を淹れる事が出来ます。
お店では多数の紅茶を同時に淹れるため、手間のかかるこの抽出方法を使う事が出来ません。
その上、常識外れの淹れ方で、「あの店はあんな変な淹れ方してる。」と悪い噂も立ちかねません。
ですからこれは、ステージで行うチャンピョンシップだからこそ出来る特殊な抽出方法です。
しかし、審査員の皆様は本当の紅茶のプロの皆様で、「この茶葉をこう淹れたらこういう紅茶の味になる。」というイメージを安易に想像できてしまう方々です。
でもリンアンはその味とは次元の違う紅茶の味で勝負に出ているわけです。
その「リンアンが美味しいと思う紅茶の味」が審査員の皆様に受け入れられるのか? それだけが心配でしたが、幸いにも皆様に受け入れていただく事が出来、初代チャンピョンの座をいただく事が出来ました。
これも、日ごろからリンアンを応援していただいている皆様のお陰です。
皆様の応援が心に響いているからこそ頑張れました。初代チャンピョンをいただく事が出来ました。
日ごろから応援していただきている全ての皆様に感謝いたします。