紅茶を美味しくさせる水
よく、「リンアンではどんなお水を使っているんですか?」と聞かれます。
基本的にリンアンで使っているお水は、「尾張旭市の水道水」です。
尾張旭市の水道水は木曽の山々を水源とする木曽川の水を、岐阜県八百津町で取水した愛知用水の水です。
その愛知用水の水は春日井市に有る愛知県の高蔵寺浄水場で浄水され、尾張旭市内に供給されています。
基本的に愛知用水の水は非常に水質がよく、紅茶を美味しく淹れる事が出来る水です。
ただ、水質の良い木曽川の水といえども水質は一定では無く、常に美味しい紅茶を淹れるためには浄水器を使いその美味しさを一定に保つ必要があります。そのためにリンアンで使っている浄水器は「料理の鉄人」でも使われた水質に定評の有るシーガルIVの産業用の浄水器「スパーク Lピュア」という浄水器を選びました。
このシーガルIVという浄水器は、「料理の鉄人」で一気に有名になりましたが、それ以前から浄水器の消費者テストでは必ず上位にランクされる水の美味しさには定評の有る浄水器でした。
そのシーガルIVの浄水器なのですが、リンアンが使っている「スパークLピュア」というタイプは、業務用というより、「産業用」として開発された浄水器です。
その浄水を作る能力は、毎分100リットル。食品工場や大型の飲食店をターゲットに開発された浄水器です。
リンアンの規模でこの流量の浄水器を使っているカフェはまず無いでしょう。
というのは、リンアンは紅茶を淹れる水に空気を含ませることにこだわりました。
実は、お湯に含まれる空気の量によってお湯の味は大きく異なります。
特に空気の中の二酸化炭素は水に溶けると酸になります。
お湯を沸かせば当然ブクブクと空気が抜けていきます。その事により二酸化炭素(酸)も抜けていき、お湯がアルカリ化していきます。
お湯がアルカリ化していけば当然お湯の味が変わってきます。
湯冷ましの水が柔らかく感じるのはこのためです。アルカリ化したためにぬるっとした感じになり、柔らかく感じるのです。
お湯の味が変われば当然紅茶の味も変わってしまいます。
お湯の沸かし方は、「沸かしたて。」と決めることでいつも同じにすることが出来ます。
しかし、元の水に入っている空気の量が変わってしまったら、沸かしたてのお湯に入っている空気の量も変わってしまいます。
それを防ぐためには、ケトルに水を汲むときに出来る限り空気を含ませるこ事が重要になってきます。
ということで、リンアンはケトルに水を汲むときの、水の勢いに拘りました。
自宅の水道の蛇口の流量を測ってみると、毎分23リットルの勢いがありました。
ところが一般的な飲食店用の業務用浄水器は、毎分10リットルくらいしか浄水を出すことが出来ません。
それでは勢い良く水を汲むことが出来ません。水の勢いが全く足りません。
そのために、食品工場で使われる毎分100リットルの浄水を作ることが出来る、産業用の浄水器を選びました。
その産業用の浄水器のために、本管から繋ぐ水道管も太いものに換えました。
全ては、紅茶を美味しく淹れるために。
ほとんど、泡。
泡しか出ていないように見えますが、リンアンの紅茶用の浄水器の蛇口からはこんな風にお水が出ています。
洗剤が入っているのでも、漂白剤が入っているのでもありません。浄水器に繋がった蛇口から水を汲んでいる。たったそれだけの写真です。
リンアンの浄水器の蛇口からは、これだけ空気を含ませる勢いの浄水が出てくるのです。
実はこれは水の勢いだけでは有りません。
蛇口の先にも紅茶を美味しくさせる工夫をしています。
蛇口の先にはこんなアミが付いているのです。
これは水に空気を含ませるための専用部品です。
水が蛇口から出る段階で空気をたっぷり含ませます。空気がたっぷり入っているため、水は蛇口から出たときには既にこんなに白く見えるのです。
空気がたっぷり入ることにより、少ない流量でも水の勢いは強くなり、水は強く攪拌され、さらに多くの空気を含むことになります。
そのためにケトルに汲まれた水が泡状に見えるのです。
これは全て紅茶を美味しくさせるための工夫です。
美味しい尾張旭の水を、さらに磨き上げ、それを紅茶用に調整してケトルに汲みます。
紅茶を美味しくするための工夫は、水道水が蛇口から出る前に既に始まっているのです。
紅茶を美味しくさせるための工夫は、お水が蛇口から出た後にも続きます。
紅茶を美味しくするためのケトルのお話はこちらから。