お茶、紅茶、烏龍茶の発酵とは
紅茶は、「発酵茶」と呼ばれます。烏龍茶は、「半発酵茶」。緑茶は、「不発酵茶」。
では、お茶の世界の「発酵」とは、どんな現象、どんな化学反応のことでしょうか?
お茶を発酵させているのは、どんな菌なのでしょうか?
実はお茶の発酵には、菌:微生物が関与していません。
実は、「お茶の発酵」は、「発酵と呼んではいけない」レベルの化学反応なのです。
「お茶の発酵」は、その化学変化の過程が良くわからない頃に、「たぶんこれも微生物が発酵させてるんだよね。」と思って「Fermentation:発酵」と呼んだために、今でも「発酵」と呼んでいるだけで、本当の意味での発酵ではありません。
では、どんな反応が起こっているかといえば、お茶のタンニン(カテキン類)が、お茶自身が持っている酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ)によって酸化重合され、テアフラビン、テアルビジンといった紅茶の成分に変わることを、お茶の世界では「発酵」と呼んでいるのです。
時おり、「紅茶は完全発酵茶」と書かれている事が有りますが、これは間違いです。
紅茶の発酵度は茶園マネージャーによって完全にコントロールされており、茶園マネージャーは世界の紅茶市場の動向を頭に入れながら、そして茶葉の状態を見ながら発酵をコントロールし、発酵を途中で止め、様々な風味の紅茶を作り出しています。
その中には、緑茶と間違えられるほどの紅茶も多く存在し、「紅茶と緑茶の発酵度さえ重なっている。」という研究者もいるくらい紅茶の発酵度は多様性を持ち、紅茶の世界にも多種多様な紅茶が存在しています。
是非、その多様な紅茶の世界をお楽しみください。