美味しい紅茶を簡単にいれる方法をお教えしましょう。
紅茶を美味しく淹れる秘伝中の秘伝は... 「ジャンピングを忘れる!」。
ジャンピングというのは、紅茶がおいしくはいる状態のお湯の時に、3分後にあの現象が起きる事が多いというだけで、決してジャンピングが紅茶を美味しくしているわけではありません。
あくまで「ジャンピングはお湯の状態の目印」であって、ジャンピングに捕らわれ過ぎると紅茶の本質を見逃します。
ですからとりあえず、「ジャンピングは忘れる!」^^
基本的に準備するのはこれだけです。
紅茶の茶葉
ケトル(ヤカン)
水道水
ティーポット
ティーストレーナー(茶漉し)
ティーカップ
ティースプーン
いれ方は「適当」です。
簡単に美味しく淹れるのですから、いれ方は簡単そのもの。「適当」です。
紅茶って、実は「適当にいれても美味しく飲めるもの」なのです。
「適当にいれても美味しく飲める紅茶」を、美味しく淹れられないのは、美味しくならない原因がそこに有って、その美味しくならない事をしているからなのです。
「美味しくならない事」をしないためのポイントをお教えします。
「美味しくならない事」さえしなければ、あとは「適当」にいれても紅茶は美味しく飲めるのです。
その「適当」にいれて美味しく飲めるポイント。
- 茶葉は光に当てて保存しない。
- お湯は水道水を勢いよくケトルに汲んで、沸いたらすぐに紅茶を淹れる。
- しっかり蒸らす。最低3分以上、大きな茶葉は5分以上。10分経っても大丈夫。
- 濃さは後からお湯かミルクで割って好きな濃さで飲む。
- 抽出後の紅茶は高温で長時間保存しない。
これだけです。これでいつでも美味しい紅茶を飲むことが出来ます。
茶葉の量はきちんと測らなくても大丈夫。
濃い目に淹れればあとからどれだけでも調整できますから、好みの量が分からないうちは多めに入れておきましょう。
この5つのポイントを解説していきましょう。
1.茶葉は光に当てて保存しない。
紅茶は本当に光に弱いです。ガラス瓶に入れておけば、室内光でさえ1週間で梅干しの香りが付いてきます。
「紅茶は室内光でも一週間で梅干しの香りが付いてくる。」これをよく覚えておいてください。
光さえ当てなければ、紅茶は長期保存が出来ます。
数年経って熟成して美味しくなる紅茶はたくさんあります。
でも、保存中の光だけは絶対に避けましょう。
そして注意すべきは移り香です。微細な空間をたくさん持つ茶葉は臭気を吸いやすい。
実は密閉するのは、空気を遮断するためではなく、他の香りを遮断するためなのです。
2.お湯は水道水を勢いよくケトルに汲んで、沸いたらすぐに紅茶を淹れる。
実は、お湯は沸かすことによってお湯自体の味が変わるのです。
「えっ!?」と思われるかもしれませんが、湯冷ましのお湯が柔らかく感じた事は無いでしょうか。
それこそ、お湯を沸かすことによって味が変わった証拠なのです。
お湯は、ぐらぐら沸かすと、どんどん空気が抜けていきます。それにつれて空気中の二酸化炭素もどんどん抜けていきます。二酸化炭素は水中では酸ですから、酸が抜ける事によりどんどんアルカリ化して、お湯自体の味が変わっていくのです。
お湯の味が変われば当然、紅茶の味も変わってしまうのです。
ティーオークションのバイヤーは、お湯の沸かし方によって紅茶の味が変わる事をよく知っていますから、必ず沸かしたてのお湯でテイスティングします。
茶園でも同じなんです。
紅茶は沸かしたてのお湯を基準に作られているのです。
だから沸かしたてのお湯で淹れると美味しい紅茶が多いのです。
ただ、沸かす前の水にたっぷりの空気が無ければ理想のお湯にはなりません。
だからケトルに勢いよく水を汲んで、沸かしたてのお湯でいれましょう。
そうすると、3分後にジャンピングが起こる茶葉が多いのです。
茶葉の量も最初は適当でいいのですが、強いて言えば350ccの熱湯で8~10gくらいでミルクティーにちょうどいい濃さになります。
3.しっかり蒸らす。最低3分以上、大きな茶葉は5分以上。10分経っても大丈夫。
茶葉にお湯を注ぐとすぐに香りが立ってきます。
次に色が出てきます。でもまだ、美味しい成分は茶葉の奥底にたっぷりと残っているのです。
最後にじっくりと紅茶の美味しいところが出てきます。
渋くなっても、まずは美味しいところを出し切ってあげましょう。
濃さはあとから調整できるのですから。
4.濃さは後からお湯かミルクで割って好きな濃さで飲む。
とりあえず濃くいれてください。
濃くいれてから、好きな濃さまでお湯で割って飲みましょう。
ミルクティーがお好きなら、濃いまま温めないミルク(常温くらい)をたっぷり目に入れます。
紅茶が濃くないと、ミルクに紅茶が負けてシャビシャビのミルクティーになってしまいます。
だから濃くいれるのです。
イギリス人の90%はミルクティー。だからイギリス式はミルクティー用の濃い紅茶が出てきます。
でもストレートでも飲みたい人がいるので、イギリスのティールームではお湯が出てくるのです。
あのお湯はカップに入れた濃い紅茶を割って飲むためのお湯です。決して2煎目のお湯じゃないので、ティーポットには入れないでくださいね。
世界の殆どの国ではイギリス式で紅茶を楽しんでいます。
人口の多いインドではミルクティーのチャイが主流ですよね。
つまり、世界の殆どの国で、紅茶は濃くいれて、ミルクかお湯で割って飲んでいます。
紅茶は割って飲むもの。
濃い紅茶を淹れて、お湯かミルクで割って飲むのが世界標準です。
5.抽出後の紅茶は高温で長時間保存しない。
「会社で熱い紅茶を飲みたいから」って、保温ポットに熱い紅茶を持って行ったら美味しくなかった。という経験は有りませんか?
実は入れた後の紅茶は、高温で保存するとどんどん味が劣化してしまいます。
会社で美味しい紅茶を飲みたい時は、保温ポットに熱湯を、そしてティーバッグを持って行きましょう。
お弁当を広げる前に保温ポットにティーバッグを放り込む。
すると飲むころには、いれたての美味しい紅茶になっています。
あまり保温性の良いティーコゼもちょっと考え物。30分位保温ができれば十分な性能と言えます。
暖かい紅茶を飲みたい気持ちはよくわかりますが、熱い状態では紅茶の味がどんどん劣化しますので注意が必要です。
実は紅茶を飲む時の美味しい温度は60~70度くらい。熱いティーポットの場合、ティーコゼをかけるのをちょっと待って、少し冷めたくらいで保温するのが美味しく飲めるコツだったりします。
でも、30分もすれば、1ポットくらい、無くなっちゃってますよね。