タンニン類 カテキン類
よくお茶には、「タンニンが入っている。」とか「カテキンが入っている」と言われますが、タンインとはいったいなんでしょうか?
また、カテキンとはいったい何でしょうか。
実は、お茶の世界に限って言えば、「タンニン」と「カテキン」は、ほぼ同じ意味を示します。お茶の世界に限って言えば「タンニンとはカテキンの事であり、カテキンとはタンニンの事である。」と言ってもいいでしょう。
タンニンとは、「皮をなめす性質を持った物質のことです。」
物質の構造が分かるまでは、物質の名前というのは、その物質の性質で分けるしか有りませんでした。その頃の名前が「タンニン」という名前なのです。
そのうち、「タンニン」という物質の構造がはっきりしてくると、その構造を持った物質の名前が必要となり、「カテキン」という名前が付けられたのです。
ではカテキンとは何かといえば、最も狭い意味で言えば、化学式C15H14O6で表される化合物の事で、フラボノイドと呼ばれる物質のひとつです。
そのフラボノイドは、ポリフェノールの仲間ですから、タンニン(カテキン)はポリフェノールの一種ということになります。
「赤ワインはポリフェノールが多く体に良い」と言われていた事がありますが、その時言われていた効能は、全てお茶にも当てはまり、お茶の世界では昔から言われていたことばかりでした。
そもそも、ポリフェノールの効能の研究の殆どは、お茶によって研究されていたものです。
では、お茶にはどんなカテキン類が含まれているかといえば、細かく分ければ18種類くらいのカテキン類が含まれていますが、主なものは以下の4種類です。
- エピカテキン:EC
- エピガロカテキン:EGC
- エピカテキンガレートト:ECg
- エピガロカテキンガレート:EGCg
これらのカテキン類は多くの保健効果の研究がなされており、特に主要成分のエピガロカテキンガレート:EGCgには多くの保健効果が見つかっています。
これらのカテキン類が酸化酵素により酸化重合して出来た成分が紅茶の成分で、テアフラビン、テアルビジンなどと呼ばれています。
テアフラビンがオレンジ色の成分で、テアルビジンは赤褐色の成分です。
テアフラビン、テアルビジンも強い抗酸化作用を持つポリフェノールで、最近ではテアフラビンから誘導されるテアフラビン誘導体は強い抗HIV-1活性を持つことが分かってきており、それはカテキン誘導体よりもエイズの抑制に効果が有るようです。
その他、ガンの抑制にも大きな効果が認められるなど、様々な保健効果が分かってきています。
それら、紅茶の成分の保健効果に関しては、日本紅茶協会のサイトに、「紅茶と健康」と題して、期待できるもの、あまり期待できそうに無いもの等、その効果の大きさも含めて最新の論文の調査によって極めて正直にまとめられているので、「紅茶と健康」に関して興味の有る方は参考にされると良いでしょう。
日本紅茶協会 「紅茶と健康」
ただし、リンアンとしては、「紅茶は美味しいから飲んで欲しい。」
これが正直な気持ちです。