世界三大銘茶

世界三大銘茶(世界三大紅茶)

ダージリン、ウバ、キーマン(キームン)の三つの紅茶を、「世界三大銘茶」と呼んでいます。
これは、「かってそう呼ばれたことが有る。」という事で、今現在、日本以外で「世界三大銘茶」という言葉は通用していません。
かってそう呼ばれた事が、日本だけで生き残っていると言っていいでしょう。

どうしてこのように呼ばれるようになったのかの詳細は不明ですが、この中のキームン紅茶(中国安徽省祁門県で作られる紅茶)に関して言えば、1915年にパナマ運河の開通と、太平洋発見400周年を記念してサンフランシスコで開催されたサンフランシスコ万国博覧会:Panama-Pacific International Exposition, Expo 1915において金賞を受賞した事から世界三大銘茶のひとつと称されるようになったと言われています。
もちろんこの当時と今では世界の紅茶事情は全く変わっています。
例えばスリランカのウバ紅茶に関して言えば、かってウバ紅茶の評価は非常に高かったのですが、スリランカの紅茶関係者の多くは、ヌワラエリアがスリランカの紅茶の最高のものと認識していますし、世界的に見ればルフナの人気が一番高く、近年のコロンボのティーオークションのプライスレコードの多くはルフナの紅茶が取っています。
ウバ紅茶に関して言えば、このルフナ人気にあやかり、ルフナ風に製茶されることが多くなってしまい、かってのようなキリッとしたアストリージェンシー(美味しい渋み)の感じられる紅茶は少なくなってしまっています。
このような現実を見れば、ダージリン、ウバ、キーマンの世界三大銘茶というのは、遠い昔の話と理解しておいて方がいいでしょう。