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TITLE:  Liyn-an Tea Club  No.10 お湯の沸かし方で紅茶は変わる?
DATE : 2002-12-15 22:07:42
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           ◆ 紅茶の実験室 ☆ Liyn-an Tea Club ◆
                      No.09   2001.11.24
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  TOPICS 1:第10回 結果報告 お湯の沸かし方と美味しさの関係
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12月2日、6名の参加で、「お湯の沸かし方で、紅茶の美味しさは
どう変わるのか?  それとも変わらないのか?」というテーマで、
リンアンティークラブを開催しました。

よく、「お湯は沸かしすぎたらダメ」とか「3分くらい沸かすのが
良い」とか、言われていますよね。
それが本当かどうかを検証するのが、今回のティークラブでした。

実験としては、2種類。

実験1: お湯を沸かしている時間によって、紅茶の美味しさは、
        変わるのか?

実験2:お湯を沸かす道具によって、紅茶の美味しさは変わるのか?


「実験1」は、良く言われている「3分くらい沸騰させるのが良い。」
と言われている事の検証です。
ただ、これは、「水道水に含まれている塩素(カルキ)を飛ばすため」
と、言われていますから、リンアンのように、しっかり浄水器を通っ
て、塩素が抜かれている水では、どうなんでしょうか?

「実験2」は、どんな道具でお湯を沸かすとよいのか、あまり書か
れていませんね。ただ、「鉄のヤカンは良くない」とは、書かれて
います。これって、本当??
「鉄のヤカンって、どこにあるんじゃい!」という突っ込みはやめて
私の茶釜でお湯を沸かしてみました。


さて、「実験1」ですが、これは、リンアンの早沸きケトルのフタ
を取り、どんどん沸騰させ、以下の沸騰時間で紅茶を淹れ分け、試
飲しました。
使った紅茶は、スリランカ・ディンブラのラデラ茶園の紅茶です。

                   一番好きな紅茶
沸騰直後 0分           0名
沸騰時間 1分          5名
沸騰時間 5分           0名
沸騰時間 10分           0名
沸騰時間 15分           0名

水色の写真はこちら、10分、15分の紅茶の水色が、若干濃いですね。
http://liyn-an.com/tea_club/10/photo01.jpg

試飲では、1分沸騰させたお湯で淹れた紅茶に人気が集まりました。

紅茶が熱いうちより、冷めてからの方が違いがハッキリ判るのです
が、沸騰直後のお湯で淹れた紅茶と、1分沸騰させたお湯で淹れた
紅茶の差は、それほど大きくはありません。

でも、沸騰直後のお湯で淹れた紅茶は、1分沸騰させた紅茶より浅
い感じがしていました。
人によって違うのですが、5分までは、「まぁ許容範囲かなぁ。」
という感じですが、10分以上沸騰させた紅茶は、重くて嫌な味が
残り、「出来れば飲みたくない。」そんな感じの紅茶になっていま
した。


では、この紅茶に、どんな変化が有るのでしょうか?

リンアンで調べることが出来る項目は、そんなに多くないのですが、
今回は、「水素イオン濃度」を測定してみました。

「水素イオン濃度」というより、「pH」といった方が馴染みが深
いかもしれませんね。
「酸性」「アルカリ性」の度合いを示すのが
「水素イオン濃度・pH」で、7.0 が中性で、値が低くなるほど、
酸性度が高くなり、値が高くなるほど、アルカリ度が高くなります。

測定は、pH計 を使い、お湯のpHと、紅茶のpHの 両方を測定
しました。

紅茶のpHは、試飲した紅茶そのものですが、お湯のpHは、改め
て沸かし直して測定しています。

そうそう、測定は、冷めてから測定しました。

結果はこのとおり。(加熱前pH=7.3)

                お湯のpH  紅茶のpH
沸騰直後  0分     7.0         5.2
沸騰時間  1分     7.6         5.2
沸騰時間  3分     8.3
沸騰時間  5分     8.7         5.2
沸騰時間  7分     8.9
沸騰時間  10分     9.2         5.3
沸騰時間  15分     9.6         5.4

これをグラフにした物がここに有ります。
http://liyn-an.com/tea_club/10/graph01.gif

凄いですね。
沸騰させ続けていると、どんどんアルカリ性になっていきます。

15分経った、「pH=9.6 」のアルカリ度って、どんなアルカリな
んでしょうか?

「pH」については、分析・計測機器のトップメーカーの一つ
「株式会社 堀場製作所」のホームページに、詳しい説明があります。
http://global.horiba.com/index.htm

ここの「pHの話」の中の「pH値のいろいろ」をご覧ください。
http://global.horiba.com/story/ph/ph03_01.htm

セメントが 9.8 付近。 殆どセメントと同じくらいのアルカリ性に
なっていたんですね。

ところが、面白いことに、紅茶を淹れると、アルカリ性のお湯だっ
たのに、5.2 〜 5.3 という酸性になってしまうのです。
それも、ほぼ一定のpH値に。

「それは、何故か?」


無責任かもしれませんが「私には、判りません。」m(_ _;)m

推定できる原因は、「茶葉に含まれるなにかの成分が、お湯をアル
カリ性にしている成分と結合して、中性物質に変化し、茶葉が持っ
ているシュウ酸などの酸性成分が、紅茶を酸性にしている」という
事ですが、証拠も何も無い、ただの推定です。

でも、こう考えれば、pHが一定になることは、理解できますよね。

ともかく、アルカリ性のお湯が、酸性に変化しているのですから、
なんらかの化学変化が起こっていることは、間違いないはずです。

それも、アルカリ度の高かった、沸騰時間の長い紅茶ほど、その変
化が大きいと考えられます。その変化によって、味の変化がもたら
されていることは、確かでしょう。

という事で、お湯を沸騰させる時間によっても、紅茶の味は、相当
変わることがわかりました。

===★ 注意! ★==============================================
この実験は、使う水の影響を、大きく受ける可能性が有ります。

使った水は、リンアンで使っている水で、尾張旭市の水道水を、
シーガルフォーの大型、産業用浄水器「スパーク・エル・ピュア」
https://ssl.granddukes.com/cat1/products/gyou_spl.html
で浄水した水です。
残留塩素などは、沸かす前から、殆ど除去されている美味しい水で
す。

この水での実験で、1分の沸騰時間を好む人が多かったのですが、
使う水によって、好みの沸騰時間は、大きく変わる可能性がありま
す。
===★ 注意! ★==============================================


「実験2」こちらは、「お湯を沸かす道具によって、紅茶の美味し
さは変わるのか?」という実験ですね。

使ったお湯を沸かす道具は、この5種類の道具です。
http://liyn-an.com/tea_club/10/photo03.jpg

左から

   圧力鍋  ・  茶釜(鉄)  ・  銅  ・  ガラス ・ ステンレス

圧力鍋の材質は、ステンレス。

茶釜は、私が昔、骨董市で惚れ込んで買ったもので、内部は錆びだ
らけ、当日、必死にタワシで磨き上げました。当然、鉄(錆び)が露
出しています。

銅のケトルは、購入当初は、内部にススメッキがされていましたが、
何年もたち、銅が露出し、空焚きもしていますから、黒く変色して
いる部分もあります。これも、必死に磨きました。(^_^;)


この5種類の道具で、お湯を沸かし、沸騰直後のお湯で紅茶を淹れ
て試飲しました。
ただし、圧力鍋は、シュウシュウ  いい始めた時点で重しを取り、
急激に沸騰させると共に圧力を抜き、紅茶を淹れました。
(こうしないと、フタが取れません。^^;)

淹れた紅茶の画像はこちら。
http://liyn-an.com/tea_club/10/photo02.jpg

同じく左から

   圧力鍋  ・  茶釜(鉄)  ・  銅  ・  ガラス ・ ステンレス

です。

ステンレスのケトルで沸かした紅茶が、若干黒いかな?
でも、意外なのが、鉄の茶釜で沸かした紅茶が、それほど黒くあり
ません。

試飲していただき、好きな順番に3つを選んでもらいました。
結果は下のとおり。数値は、選んだ人数です。

                1位     2位   3位
ステンレス                1      1
ガラス           1        1      2
銅               4               1
鉄(茶釜)                  2      1
圧力鍋                    1


銅のケトルが、非常に評判が良かったです。思わず、「銅のケトル、
買って来よ!」という声が出たほどです。

実は、このケトル、リンアンを始める前に購入し、紅茶を淹れてみ
て、思わず「美味い!」と叫んでしまったケトルなんです。

その後、「本当に銅のケトルで淹れた紅茶は美味しいのか?」とい
う疑問が、ずっと頭の中にありました。
それで今回の実験に入れたのですが、皆さんの評価も「美味い」で
したね。

ステンレスのケトルで淹れた紅茶は、どこか硬い感じがしていまし
た。そして、しだいに渋みが目立ってくるような感じです。

ガラスのケトルの場合、濃くて強い感じの紅茶になった様な気がし
ます。参加者の感想でも「茶葉の特徴が、正直に出る感じ」という
意見がありました。ほんと、そんな感じがします。

銅のケトルの場合、茶葉のそのままの美味しさの感じではありませ
ん。どこか、まろやかな感じがするのです。
ある意味、紅茶が変質しているような気がします。でも、それが、
紅茶を美味しく、まろやかに変質させている感じなのです。

鉄の茶釜で沸かしたお湯の紅茶は、良く言えばまろやかな紅茶です。
言い換えれば、少し抜けているような感じがします。
これは、茶釜の鉄分が、タンニンと化合して、タンニン鉄に変わっ
ていると推定できます。タンニンは渋み成分ですから、タンニン鉄
に変わる事で、渋さが抜け、まろやかになったと推定できるのです。
その事が、渋みを好む人にとっては、少し抜けた感じとなるのでしょ
う。

でも、これはこれで、渋みを好まない人にとっては、非常に美味し
い紅茶ではないかと思います。「鉄のヤカン」も人の好みによって
はお薦めだと思いました。

圧力鍋で淹れた紅茶は、出来れば飲みたくない。^^;
もっとも、圧力鍋でお湯を沸かして飲むことは、無いでしょうが。

どこか間の抜けたような紅茶になってしまいました。
空気が抜け過ぎているのかもしれませんが、とにかく、現在のとこ
ろ、原因不明で抜けたような紅茶になります。

でも、ひとつの極端な例として、これから紅茶の美味しさを解明し
ていくひとつの指標となりそうです。



今回のティークラブは、お湯の沸かし方という、これまであまり注
目されなかった部分でも、紅茶の美味しさが、ずいぶん変わること
がわかりました。

今回の実験の結果は、水や道具によって、そして、飲む人の好みに
よって大きく変わる可能性があります。
でも、「お湯の沸かし方によって、紅茶の美味しさが変わる」とい
う事だけは確かなようですね。

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さて、今年もあと僅か。今年もいろいろと紅茶の実験をしてきまし
たが、来年も、いろいろな方法で紅茶を淹れて、どんな風にしたら
本当に美味しい紅茶が飲めるのか、それを突き止めていきたいと、
思っています。

新春、1月は、予定が多く、ティークラブを開催できそうな日は、
27日の月曜日しかありません。まだテーマは決まっていませんが、
この日に開催予定です。

鬼に笑われそうですね。^^;

では、よい年をお迎えください。m(_ _)m

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                    責任編集:堀田信幸     有限会社リンアン
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