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TITLE:  Liyn-an Tea Club  No.03  アイスティー
DATE : 2002-06-06 18:45:37
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           ◆ 紅茶の実験室 ☆ Liyn-an Tea Club ◆
                      No.03   2002.6.6
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  TOPICS 1:第5回  Liyn-an Tea Club  アイスティー 報告
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いやぁやっぱり、鉄は熱いうちに打て。忘れないうちに書いちゃわ
ないとダメですね。^^;

ということで、ご報告がずいぶん飛んじゃいますが、第5回を先に
ご報告します。

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>    ◆ 第5回  Liyn-an Tea Club  アイスティー 報告 ◆       <
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6/3 7名のご参加で、第5回Liyn-an Tea Club を開催しました。

テーマは「アイスティー」

アイスティーも色々やってみたいことが有るのですが、これが結構
難しかったりします。^^;

まず、どんな茶葉がアイスティーに向いているのか?
言うのは簡単なんですが、検討すべき要素がたくさん有りすぎて、
絞りきれなかったです。

でも、やってみたいのは、やはりクリームダウン(クリーミングとも
呼ばれます。)について。そして、いろんな茶葉でのアイスティー飲
み比べ。

取りあえず、そこまでテーマを絞ってじゅんびしました。

準備したのは以下のアイスティー。


【 飲み比べ 】

☆スリランカ☆
  1) ウバ                                 チェルシー茶園
  2) ディンブラ                         デスフォード茶園
  3) ヌワラエリア                     ラバーズリーフ茶園
  4) キャンディー                         ハンターナ茶園

☆ダージリン☆
  5) ブレンディッドダージリン 203
  6) ダージリンビンテージ 2001
  7) ダージリンオータムナル  2001           チャモン茶園
  8) ダージリンファーストフラッシュ 2001    チャモン茶園
  9) ダージリンファーストフラッシュ 2002    チャモン茶園
 10) ダージリンファーストフラッシュ 2002  マリーボン茶園

☆アッサム☆
 11) アッサムCTC ジャイプール茶園

☆中国☆
 12) 香檳烏竜茶 尊品
 13) ユンナン
 14) ラプサンスーチョン 燻製香

☆フレーバー☆
 15 )アールグレー 

以上のアイスティーは、リンアン流の淹れ方で淹れています。
「えっ? リンアン流って?」という方は、こちらを参考にしてして
ください。http://liyn-an.com/makeT/irekat_iced.html

ここでは、1リットルのアイスティーを作る方法を紹介しています
が、今回は400ccで作っていますので、茶葉は3.2g 使用しています。

また、蒸らし時間は、15分に統一しました。

「えっ? 15分も蒸らして渋くないの?」っていう人は、上のペー
ジをみてくださいね。詳しく説明して有りますので。^^;


次に準備したのは、一般的なアイスティーの作り方の「オンザロッ
ク法」と、「リンアン流」のアイスティーのクリームダウン対決!

【オンザロック法】
 16) アッサムCTC ジャイプール茶園
 17) ブレンディッドダージリン 203
 18) ディンブラ  デスフォード茶園

【リンアン流】
 19) アッサムCTC ジャイプール茶園
 20) ブレンディッドダージリン 203
 21) ディンブラ  デスフォード茶園

オンザロック法 というのは、簡単にいうと、約2倍の濃さの紅茶を
淹れて、グラスにいっぱいに入れておいた氷に注ぎかけ、一気に冷
やして作る方法です。

これは、アイスティーは抽出した紅茶を冷蔵庫で保存すると、クリー
ムダウン(別名:クリーミングとも呼ばれます。)という現象が起こり、
白く濁ってしまい、清涼感が無くなるために、こういう方法を取る
のです。

今回は、5gの茶葉を使い、熱湯の量は約180cc、蒸らし時間は3分、
氷を含め、約400cc程度のアイスティーを作りました。


リンアン流に関しては、【 飲み比べ 】と、まったく同じ作り方で
す。つまり、 11)と19)、5)と20)、2)と20) は同じものだと考えて
もいいですね。

オンザロック法も、リンアン流も、淹れた直後は、クリームダウン
は起こっていません。共にきれいな琥珀色をしていました。

これでは、クリームダウン対決になりません。(^_^;)

そこで、皆さんが集まっていらっしゃるまで、約2時間、冷蔵庫で
冷やすことにしました。庫内温度は約10度です。

皆さん集まっていただいて、まず、今日のLiyn-an Tea Club の進め
方を簡単にご説明。
どうしても避けて通れないのがクリームダウンですから、まずはク
リームダウン現象について、ちょっとだけ御紹介。

本にはよく、「クリームダウンは、紅茶を冷やすと、紅茶のタンニ
ンとカフェインが結晶して、白く濁ってくる現象」と書いて有りま
すよね。

「これは、間違い!」

と言ってしまってはいけないかもしれませんが、現時点では、正し
いとは言えないのです。

このクリーム成分は、紅茶の重要な成分のタンニン(カテキン類)と
カフェインの結合物であることは、クリーム分を分離して成分分析
をした多くの実験結果から、明らかになっています。

ところがその成分が、「結晶状態かどうか」ということになると、
今現在確認されていません。

黒鉛とダイヤモンドのように、同じ炭素でありながら、結晶状態が
違うために、全く違った性質を持つものも有りますから、結晶かど
うかということも大事だと思うのですが、現在のところ、それ以上
の正体が分かっていないのが、このクリームダウンなんですね。

紅茶のタンニンにも、いろんな種類が有ります。紅茶として一番特
徴的な物は、タンニン(カテキン類)が茶葉の持つ酸化酵素(ポリフェ
ノールオキシダーゼ)によって酸化してできる、テアフラビン(TF)
と、テアルビジン(TR)です。

紅茶のクリームダウンは、主にこのTFと、TRの結合した物のよ
うですが、酸化する前のタンニンのうち、エピガロカテキンガレー
ト(EGCG)などもカフェインと結合して、クリームダウンを起
こすそうです。

参考資料
「緑茶・紅茶・烏竜茶の科学と機能」弘学出版 1994.6.10 改訂1版
            中林敏郎・伊奈和夫・坂田完三著 ISBN4-87492-0698-3

上記の本では、

    紅茶クリーミングの主因は、液温の低下に伴ってガレート型の
    TF,TR,さらにはカテキンモノマーとカフェインの複合体生
    成能がそれぞれの成分の溶解性より勝って析出するものと考え
    られた。

と書かれています。早い話、この著者は、

    カフェインとタンニンは、くっついたり離れたりしていて、紅
    茶の温度が下がると、くっつくスピードの方が早くなってクリー
    ムダウンが起こる。

と、考えているわけですね。

この辺りまで前知識を得ておいて、準備しておいたアイスティーを
冷蔵庫から出してみました。
オンザロック法と、リンアン流のクリームダウン対決です。

結果は、


【オンザロック法】
 16) アッサムCTC ジャイプール茶園    クリームダウン!
 17) ブレンディッドダージリン 203    クリア
 18) ディンブラ  デスフォード茶園    クリア

【リンアン流】
 19) アッサムCTC ジャイプール茶園    クリア
 20) ブレンディッドダージリン 203    クリア
 21) ディンブラ  デスフォード茶園    クリア

オンザロック法のアッサムは、見事にクリームダウンを起こしてい
ましたが、その他はきれいな済んだ色をしていました。ホッ。(^_^;)

「リンアン流はクリームダウンしにくい!」と言い続けてきましたの
で、「もしクリームダウンしていたらどうしよう。」と、思ってい
たのですが、ほっと一安心。(^_^)v

それにしても、アッサムを冷蔵庫で冷やしてもクリームダウンが起
こらなかったのには、私自身びっくりでした。

オンザロック法と、リンアン流の大きな違いは使う茶葉の量。

出来上り量400ccに対して、使用茶葉の量は、

  リンアン流 3.2g    オンザロック法 5.0g

リンアン流は、オンザロック法の6割ちょっとの茶葉しか使わない
のです。だからもともと、カフェインとタンニンの量が少ないため
に、クリームダウンが起こりにくいんですね。

茶葉が少ないぶん、長く蒸らしますが、結果から考察すると、それ
でも抽出されるカフェインとタンニンの量は少なくなっていると考
えられます。

オンザロック法と、リンアン流の飲み比べをしていただきましたが、
オンザロック法は茶葉が多いせいか、ちょっと渋みがきつく、リン
アン流を好まれた方が多かったようです。

この辺りは、オンザロック法でも、もう少し茶葉の量を減らせば、
美味しくなるかもしれません。
リンアン流は、色々試して茶葉の量を決めていますが、オンザロッ
ク法の方は、本に書かれている量を参考にしているだけで、味での
細かい調整をしていませんから、対決といっても、オンザロック法
が、若干不利ですね。(^_^;)

とはいえ、味も「リンアン流が美味しい。」と言っていただけて、
ほっとしました。^^;



ここで、「急冷するとクリームダウンしにくい。というのは本当か」
という実験も試してみました。

急冷する場合と、徐冷する場合のアイスティーをどう作り分けるか。
それが問題なのですが、色々考えた末に、

A:冷凍庫の氷を使う(-22℃)
B:製氷器の氷を使う(0℃)
C:水道水を使う(20℃くらい?)

で淹れれ分けてみました。使った茶葉はクリームダウンの一番大き
かった「アッサムCTC ジャイプール茶園」の茶葉です。
淹れ方はオンザロック法、5gの茶葉を使い、3分蒸らし、最終的に
235ccくらいの量になっています。茶葉の量から言えば、そうとうク
リームダウンしやすい量のはずです。

淹れてみた結果、A、B、共に若干のクリームダウンが起こってい
るようです。ただし、コップにすぐに水滴が付いてしまうため、本
当にクリームダウンが起こっているかは確認できませんでした。

Cは当然ですが、クリームダウンする温度まで下がりませんから、
クリームダウンは起こっていません。
温度が一定になるまで待とうと、そのまま置いておいたのですが、
なかなか氷が解けません。^^;

これじゃ実験にならない。(_ _;)

ちょっと方針を変え、氷を除いて冷蔵庫へ。
1時間くらい冷やしてみましたが、それほどクリームダウンが起こっ
ている様子もありません。

結果として、推定ですが、カフェインとタンニンの量によって当然
変わりますが、クリームダウンするには、ある程度時間がかかるよ
うです。

この事が「クリームダウンを防ぐためには急冷する」と言われてい
る根拠でしょうか。

もし、そうであれば、必至に急冷しなくても、のんきに氷に紅茶を
かける位でも、充分にクリームダウンを防ぐことが出来そうです。
あくまでも茶葉によって、濃さによって違いは有りますが。

話は少し戻って、クリームダウン対決でクリームダウンを起こした

【オンザロック法】 16) アッサムCTC ジャイプール茶園

は、殆ど常温に戻った後も、まだクリームダウンしていました。
クリームダウンを起こす現象も、クリームダウンが戻る現象も、両
方とも相当な時間がかかるのかもしれません。

この辺りは、ちゃんとした結論を出すためには、再実験が必要です。



さて、いよいよ15種類のアイスティーの飲み比べです。
(実際は時間の都合により、もっと早く飲み比べています。)

点数のつけかたは

1:飲みたくない
2:苦手
3:普通
4:美味しい
5:すごく美味しい

皆さんに飲んでいただいた結果は以下の通り。


                      参加者No. 1  2  3  4  5  6  7 平均 順位

ディンブラ       デスフォード   5  5  5  4  5  3  4  4.43  1
ブレンディッドダージリン  203   4  4  5  5  4  4  2  4.00  2
ダージリンオータム'01チャモン   5  4  3  5  4  3  3  3.86  3
ウバ               チェルシー   4  4  5  4  4  3  3  3.86  3
香檳烏竜茶 尊品                 5  5  3  3  4  4  2  3.71  5
ダージリン 1st-F. '02マリーボン 4  3  4  4  4  3  3  3.57  6
キャンディー       ハンターナ   3  3  4  5  3  3  4  3.57  6
ラプサンスーチョン 燻製香       4  2  4  5  5  2  1  3.29  8
ダージリン 1st-F. '02チャモン   3  3  4  4  3  3  3  3.29  8
ダージリン 1st-F. '01チャモン   4  4  4  3  3  2  3  3.29  8
ダージリンビンテージ 2001       3  4  3  4  4  3  2  3.29  8
ユンナン                        3  3  4  3  4  2  3  3.14 12
ヌワラエリア ラバーズリーフ     4  3  3  3  4  2  1  2.86 13
アッサムCTC     ジャイプール    2  2  4  4  4  2  2  2.86 13
アールグレー                    1  3  3  4  2  2  2  2.43 15

ここでも「ホッ!(^_^;)」

日頃から、「アイスティーにはディンブラがお薦め。」って言って
いるのですが、皆さんの好みも、ディンブラが1番でした。

2番にはブレンディッドダージリン203が入り、ダージリンのオータ
ムナルが3番に入っています。

それに比べ、ダージリンでもファーストはマリーボン茶園がなんと
か6位、チャモン茶園は2001年、2002年共に同点8位。

実は、ブレンディッドダージリン203 のベースのお茶は、オータム
ナルなんです。
と言うことで、ダージリンの場合は、味のしっかりしたオータムナ
ルの方がアイスティーとしては好まれる傾向に有るようですね。

ユンナンが12位、アッサムは13位で低調です。
ユンナンの産地、中国雲南省は、アッサムに非常に近く、茶葉も最
近は中国種が栽培されていますが、元々はアッサム種の地域で、こ
のユンナンもアッサム種の葉で作られているように思えます。

と言うことで、アッサム種の茶葉はアイスティーでは好まれないと
いう結果になりました。

これは、アッサム種の紅茶はクリームダウンが起こりやすく、今回
の実験ではリンアン流で行ったために、見た目ではクリームダウン
は起こっていませんが、なにかザラツキ感を感じるような気がしま
すので、目には見えないクリームダウンの成分が順位を下げている
のかもしれません。

ただ、あくまでも推定ですので、成分分析などの追跡が必要でしょ
うね。


アイスティーの定番「アールグレー」が、15位、一番飲みたくない
アイスティーとなりました。(^_^;)

実は、アイスティー用の紅茶と思われているアールグレーですが、
これはホット用の紅茶で、けっしてアイスティー用ではないんです
ね。

大体、アールグレーの好きなイギリス人の国では、アイスティーは
殆ど飲まれていません。そもそも、アールグレーが出来たのは、ア
イスティーが出来た1904年より遙か昔の1830年頃。(^_^;)

アールグレーが最初に日本に輸入された頃「こんな香りがきつい紅
茶は飲めない」と言うことで、全然売れなかったのを、「アイスティー
にすれば香りもいいし、美味しいですよ。」と販売したため、日本
では、「アールグレー = アイスティー用」が定着したようです。

いろんな紅茶にベルガモットオイルで着香し、アールグレーを試作
したことが有るのですが、何故か高級紅茶でアールグレーを作ると
美味しくない。(^_^;)
どうも繊細な紅茶では、ベルガモットの香りに負けてしまうようで
す。ある程度雑味を持った紅茶の方が、アールグレーには合ってい
るような気がします。

今回の実験には、リンアンの常連の皆さんが集まっていますから、
その辺りのアールグレーのベースのお茶の品質が、今回の結果となっ
たのかもしれません。

試飲したメンバーが変われば、アールグレーの順位は、もう少し上
がったかもしれませんね。


おまけの実験で、「緑茶でもクリームダウンするか?」をしてみま
した。

ごく普通の煎茶を、濃いめに淹れて、オンザロック法で氷を入れた
グラスに注ぎます。

じ〜〜っと、見つめますが、やはりグラスの曇りで確認できません
でしたが、「起きているような気がする」程度でした。(^_^;)


全体を振り返って、「どんな茶葉がアイスティーに向いているか」
は、ほぼ、結論が出たような気がしますが、「クリームダウン」に
ついては、もう少し、予備実験をして筋道を立てて実験し、結論を
導き出すようにしないといけなかったようです。

ま、それでも、リンアン流のアイスティーの美味しさだけは、実証
されたようですね。ヨカッタヨカッタ。(^_^;)ホッ!と


次回は7月に、「水出し紅茶」を予定しています。

日程は未定ですが、また、この「紅茶の実験室 ☆ Liyn-an Tea Club」
でお知らせしますので、ちゃんとチェックしていてくださいね。

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                    責任編集:堀田信幸     有限会社リンアン
                    488-0837 愛知県 尾張旭 市庄中町 鳥居1820
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