<<前 HOME 次>>
2000/6/30から 『 紅茶通信 ☆ Liyn-an TEA TIMES 』に掲載している文章です。
インド茶園紀行その13
http://liyn-an.com/india/Image47.jpg
右下に見えるのが、マネージャーのバクシー氏が運転するスズキの
ジムニーです。
ISOというのは、International Organization for Standardization
の略で、世界的に標準化を進めている規格の名称で、日本で言うJIS
にあたる規格ですね。そうそう、フィルムの感度も、昔はASAという
アメリカの規格だった物が、ISOに採用されて、今ではISO400って言
う風に書かれているでしょ。あれと同じ規格なんです。
そのISOの9000番台は、製品の品質規格に関する規格で、認定機関に
審査してもらい、合格すると表示することが認められます。
因みに、9001は、設計段階から検査出荷までに厳しい品質管理がさ
れている事業所で、9002は製造段階から検査出荷まで品質管理され
ている事業所が認定されます。
製茶工場は、設計開発をしているわけではないですから、9002は最
高の表示ですよね。
階段を上って工場に入ると、そこは萎凋(茶葉をしおらせる)工程の
部屋でした。
アッサムは熱いため、低い壁と柱と屋根だけの、完全オープンの萎
凋室でしたが、ここダージリンでは、標高が2000mに近いため、当然
のごとくクローズドの萎凋室で、なんと、萎凋槽まで覆いがかかっ
た完全クローズドの萎凋槽でした。(オープンの萎凋槽も有りました
が。)
大きなファンで風を送っていますよね。
バクシー氏は「オープン萎凋槽の場合、上と下で萎れ方が変わるか
ら、途中でかき混ぜなければいけない。でも、クローズなら、風を
上から送ったり下から送ったり出来るから、かき混ぜなくてもいい。
だからいいんだ。」って言っていました。
「うーん。なるほど!」って感心しちゃいました。熱以外にも、そん
な利点があったんですね。
萎凋が終わると、揉捻工程に入ります。
ここで茶葉を揉んで、茶葉の表面の酸化酵素と、茶汁に含まれるタ
ンニンを出会わせて、発酵するようにする大事な工程です
きれいでしょ。これは製造が終わって、掃除した後ではなく、揉捻
の最中なんですよ。キャンディのハンターナ茶園に比べたらぁ. ..。
でも、あの茶園は昔から頑固に製法を変えないから美味しいんだけ
ど。^^;
さすがにISO9002を取得している茶園だけ有りますね。作業員はユニ
フォームをして、三角巾も被っています。
こちらは揉捻後の発酵工程です。この工程で、タンニンが紅茶の主
成分であるテアフラビンやテアルビジンに変わっていきます。
この工程をどの段階で止めるかによって、ダージリンらしい清々し
い紅茶になるか、黒くしっかりした紅茶になるかが決まるんですね。
スリランカやアッサムでは、発酵温度が高くなりすぎないように、
床から少し高くしてタイル張りの床を作り、そこで発酵させるので
すが、ここでは気温自体が低いせいか、発酵棚に載せて、発酵を進
めています。
こちらは乾燥機です。スチームの熱で茶葉を乾燥させ、酸化酵素を
破壊することにより発酵を止めます。
機械自体は、スリランカやアッサムとも同じでした。整理整頓の綺
麗さは、今まで見た茶園の中でもピカイチでしたが。
こちらはテイスティングルーム。
ファーストフラッシュ、出来たばっかりののセカンドフラッシュ。
そして、その間の時期のビトゥイーンを飲ませていただいたのです
が、「美味い!」の一言。
「ラングリーのお茶を輸入するぞ!」と、思った瞬間ですね。^^;
で、テイスティングテーブルの下には、過去の記録がきちんと保管
されていました。
これまでの日本の品質規格は、不良品を出さないことに主眼が置か
れていました。ですから、不良品を少なくする方法をQC活動で考え、
現場の人達が主体となって世界に冠する品質を築き上げてきました。
がISO9000の品質管理は、ちょっと考え方が違っていて、消費者保護
を主体に考えられています。つまり、問題が起こったときに、徹底
的にその原因が追求できるように、全てのことを細かく記録保存す
ることが基本なのです。
そこが、「取得するより、その維持が難しい」と言われるISO9000の
所以なんですね。この記録を見て、この茶園にいっそうの自信が持
てました。
バクシー氏と挨拶を交わし、ラングリーリゾートに戻ります。
ゆったりとしたソファーに座り、衛星から受信する大型テレビを見
ながらサーバントの淹れてくれた紅茶と、美味しいケーキをほうば
る。なんて幸せなんでしょう。
食事はゆったりと茶園の領主になった気分です。(^^ゞ
食事後ソファーで紅茶を飲んでいると、マネージャーのバクシー氏
が来ました。「明日はマリーボン茶園を案内するからね。」「食事
はマリーボン茶園で準備させているから。」
嬉しいですねぇ。これって、完全にご招待ですよね。(^_^;)
このマリーボン茶園の食事がぁ. . ..。v(^_^)
これはまた、マリーボン茶園の時に書きますね。
握手をしてバクシー氏と別れます。
茶摘みは当然日中に行われます。そしてすぐ萎凋工程に入ります。
萎凋工程は約12時間。そしてすぐに揉捻工程へと入ります。
つまりその間、夜でも製茶工場は動いているのです。
バクシー氏はこれからマネージャーバンガローへ行き、奥様と食事
をし、ゆっくりしてから11時頃に工場へ戻り、萎凋の状態を確認
し、工場に指示をしてから寝るのだそうです。
そして朝早くにはまた。(^_^;) 大変な仕事なんですね。
<<前 HOME 次>>
|