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2000/6/30から 『 紅茶通信 ☆ Liyn-an TEA TIMES 』に掲載している文章です。
インド茶園紀行その8
タイ続の村から帰り、シャワーを浴びて服を着替えます。
夜はまた、茶園オーナーの部屋でアッサム地ビールを飲みながら、
紅茶について語り合うんですね。
オーナーと話しているうちに、茶園マネージャーのサッカー氏も加
わり、世界のいろいろなお茶についての話になりました。そこでサッ
カー氏の提案で、スペシャルティープロジェクトの話が持ち上がっ
てきたのです。
「そ、そんなお茶を。信じられない!」思わず目が丸くなりました。
このお茶は、完全な試作のプロジェクトです。美味しいかどうかは
全く判りません。あまりにもとんでもないお茶のプロジェクトで、
本当に実現するのかも全く判りません。それも、好意で作ってくれ
るだけですので請求するわけにもいかないし。
信じて待つしかぁ. ..。だから、今はここまで。^^; m(_ _;)m
翌朝、製茶中の工場を見学しました。工場は月曜の夜から稼働し始
め、ずっと動いています。
摘まれた茶葉は、萎凋(いちょう)槽という装置に入れられ、ファン
で空気を送りながら12時間くらいかけて、しおらせます。
http://Liyn-an.com/india/Image25.jpg
通常、紅茶の場合は、室内萎凋を行い、温度、湿度の管理がしっか
りされます。
が、ここアッサムでは、暑いためでしょうか、室内萎凋なんですが、
屋根はあるものの、壁は腰くらいまでで、その上は柱しかない完全
なオープン式の萎凋室でした。
スリランカでもダージリンでも、製茶工場は3〜4階建てで、萎凋
槽は上の階に有り、茶葉を落としながら次の工程に進むようになっ
ています。でも、さすがに最初の茶園と言ってもいいこの茶園では、
製茶工場も平屋になっていました。
萎凋が終わると、ゴミ取り機で大きな枝などが取られ、揉捻(じゅう
ねん)工程に入ります。OPなどのオーソドックス法の紅茶は、この
揉捻機で揉捻されます。上半分がローリングして、手のひらで揉む
ような動きをして茶葉が揉捻されます。
CTC紅茶の茶葉は、オーソドックス法と同じ揉捻機で揉捻された
後、ローターバンと呼ばれる、ひき肉機のオバケみたいな機械で粉
々に砕かれ、CTCマシンに入ります。
中がよく見えませんが、中にはヤスリ状のローラーが2本入ってい
て、始めのローラーは約70回転/分 で回転し、2本目のローラー
は、約700回転/分で回転します。
その回転差で茶葉は、Clash(潰す)、Tear(引っ掻く)、Curl(丸める)
されて、ティーバッグなどに使われる顆粒状のCTC紅茶が出来上
がります。
CTCマシンは高速回転をするため、温度が上がりやすく、温度が
上がると発酵が止まってしまうため、3段階に分けて冷やしながら
加工します。
紅茶は発酵茶と言われますが、お茶の発酵というのは、お酒などの
発酵と違い、微生物が関与しません。
茶葉の表面には酸化酵素があり、葉の内部の液胞部分にタンニンが
有るのですが、揉捻によって、酸化酵素とタンニンが出会い、タン
ニンの酸化が始まります。その結果出来るのが、テアフラビン・テ
アルビジンといった、紅茶の重要成分なんです。そして、この酸化
反応を、お茶の世界では発酵と呼ぶのです。
スリランカで見たCTCの製茶工場では、CTCマシンを出た茶葉
は、すぐに発酵装置へと送られましたが、ここではドラム状のマシ
ンに入りました。
大きなドラムは回転しながら茶葉を送り出します。オーナーは冷ま
すためだと言っていましたが、茶葉を丸めるためにも役立っている
ようでした。
CTC製法での発酵工程では、茶葉はベルトコンベアでゆっくりと
運ばれます。コンベアの下には送風機が付いていて、風を送り込ん
だり、逆に吸ったりして、温度調節をしながら発酵させます。
一方、オーソドックス法の発酵は、タイルで出来た発酵台の上に茶
葉を広げ、発酵するのを待ちます。
スリランカで見た製茶工場では、揉捻工程が長いため、揉捻途中で
発酵が起こり、揉捻途中で既に茶色に変色していましたが、ここで
は、発酵装置の上で、徐々に茶色に変化していました。
次に茶葉は乾燥機に送られ、加熱乾燥することにより、酸化酵素を
破壊して、発酵が止められます。
この馬鹿でかい乾燥機を見てください。これがCTC製法の乾燥機
です。2台が稼働していました。
一方、こちらはオーソドックス製法の乾燥機です。CTC用に比べ、
小型ですね。この機械は、ダージリンでもスリランカでも同じ乾燥
機が使われていました。
乾燥機の大きさを比べてみれば、判りますよね。アッサムでは殆ど
の紅茶が、CTC製法で加工されます。
CTCは、ティーバッグによく使われると言いますが、タンニンが
多く、ミルクティーによく合うアッサムの紅茶をCTC製法で製茶
した場合、インドで非常によく飲まれるチャイに最適の紅茶が出来
ます。インドには10億人の人達がいます。その人たちにお茶を供
給している主力がアッサムなんですね。
ですから、ここジャイプール茶園でも、出荷量の95%は、インド
国内向けのCTC紅茶を作っていました。
リンアンが輸入しているような、OPタイプの、茶の葉の形が残っ
ているような茶葉は、輸出専用の、本当に高級な茶葉なのでした。
こちらがパッキングされた茶葉です。
手前の麻袋に入っているのが、インド国内用のCTC紅茶です。
窓際に暗く写っている木箱が、輸出用の紅茶ですね。ここを見ても、
いかにインド国内の需要が大きいかがよく分かります。
インド流の遅い朝食を取り、いよいよジャイプール茶園ともお別れ
です。マネージャーの奥様や、子供たちも一緒にハイポーズ。(^_^;)
茶園に来るときはそれほどでもなかったのですが、今日は何故か、
道路を警戒している兵士の数が多いようです。
途中、ライフルを向けられての検問も有りました。
もちろん、こちらは茶園マネージャーと、茶園オーナーが乗ってい
ますから、そのことを説明しただけで問題なく通れましたが。
飛行機に乗ってから、新聞で知ったのですが、前日、隣の州のマニ
プール州で爆弾テロが有ったのです。そのために厳重な警戒がされ
ていたのでした。
のんびりした茶園生活から、一転して、ここは紛争地帯だというこ
とを実感したのです。
でも、飛行場はやはり、田舎の駅舎の雰囲気。便名の表示板などは
喫茶店の「今日のランチ」の看板の雰囲気。週3便だけですから、
電光表示板もなにも必要無いですもんね。(^_^;)
インディアン航空のカウンターの横で、サハラ航空がカウンターを
作っていました。今まで、このディブルガール飛行場への便は、イ
ンディアン航空だけだったのですが、サハラ航空も飛行機を飛ばす
ようです。
(今、サハラ航空のサイトをチェックしました。グワハチ経由デリー
行きが、毎日飛んでいますね。カルカッタ・グワハチ間は、毎日、
便が有りますから、すごく便利になりました。)
インドでは、一旦預けた荷物を、有るかどうかチェックします。
荷物も確認し、タラップを登り、いよいよアッサムともお別れです。
が、なかなか飛ばない。(^_^;)
しばらくすると、職員か警官か?、そんな人達が乗り込んできて、
1人の乗客を降ろしました。
「も、もしかして、テロリスト???。」
「テロリスト自身が乗っていれば、その飛行機自体は安全?」という
のは、平和な国に住んでいる人の考え方で、こういう国では、自爆
テロは珍しく有りません。
一瞬、二瞬、「ギクリ!」 と、しましたが、とにかく無事に飛行機
は飛び立ち、無事にカルカッタへ着陸したのでした。
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